イントロダクション
長崎とベトナム―――その友好の歴史は今から約400年前、江戸初期にまでさかのぼります。当時、多くの朱印船が長崎から出航し、東南アジアへ向かい、各地で特産品(生糸・絹織物)などを載せて長崎に帰港していました。
この物語の主人公荒木宗太郎は、自ら御朱印船に乗りこみ、遥か異国を相手に長崎の貿易商人として活躍した実在の人物です。また宗太郎の花嫁となったベトナム王女ホア姫は後に「アニオー姫」として、その逸話は歴史に語り継がれています。
ベトナム、長崎を舞台に繰り広げられる“歴史歌劇”。どこか懐かしい、心の琴線に触れる物語を、華やかに美しく、ダイナミックにお届けします。
ストーリー
長崎の貿易商人、荒木宗太郎は、嵐の中、自ら朱印船の舵を取り、遥か広南の港(ベトナム)に到着する。祭りでにぎわう街中で偶然に王の娘・ホアと出会い、そうとは知らずに心惹かれあう。
王宮でグエン王、王妃に謁見し、元は武士でありながら商人となった自らの夢を語る宗太郎。国や身分を超え、ただ運命の糸が急激に引き寄せられるように、王宮で二人は再会する。
引き寄せられた糸は、二人を取り巻く人々の様々な愛の形に彩られながら、やがて長崎へ。活気あふれる長崎に到着した二人を待ち受けるものはー