スタッフレポート
2008年10月26日

光と音と香り

綺麗なステンドグラスから落ちる水滴。これが音のもと。

はねる瞬間の水滴

下から見上げるとこんな感じ

10月4日にオープンした「新・アートガーデン」。この場所を歩いていると、真っ白な正方形の不思議な建物を見つけました。
近づいて見ると、キャプションには「光と音と香りのフォリー」と書かれています。辺りを見回すと高さが1mほどの、入口が1カ所あるだけ。

「?」

と思って、入口に座り込んで中を覗くと、灯りはなく天井にステンドグラスがはめ込まれて、中央から水滴が落ちています。
そして、その落ちた先、床には石やガラスが。ここではねている水滴が綺麗だな、と思って見続けていると、今度は「音」が聞こえてきました。
“ぴちょん”という音ではなく、“カーン”でもなく。ただ、一定期間で音が鳴り響きます。
気になって、今度は中に入ってみました。すると、この建物の中に、良い香りが漂っていることに気づきました。弱すぎず、強すぎず。吸い込む空気の中にさりげなく漂う香り。


外にあるキャプションを読むと、
『日本の伝統である水琴窟(すいきんくつ)とヨーロッパの伝統であるステンドグラスとハーブの香りが漂う幻想的な空間です』
と記されています。水琴窟は、底に小さな穴の開いた瓶を土中に埋め、水が貯まるようにされています。そこに滴り落ちる水が逆さの瓶に反響して、琴のような音を出す、日本の伝統的な庭園作りなんだそう。

ステンドグラスから差し込む青い光に照らされた白い空間と、その中に広がる音と心地よい香り。その全てが、綺麗と言うよりは美しくて。ふと気づいて時計を見れば、20分ほどが過ぎていました。

この新しくなったアートガーデンには、それぞれ意味を持つフォリー(建造物)がいくつかあります。今日、ご紹介したのは、癒しを与えてくれるような幻想的な空間。また別の機会で他のフォリーを紹介しようと思いますが、まずはあなた自身で体感してみるのも良いかもしれませんね。

 

(写真・文/水上 由美)