スタッフレポート
2008年9月11日

運河に浮かぶアート 「花の運河 ~少女の面影~」

ルノワール「読書をする少女」

高低差、分かります?

水まき中

9月4日のレポートでお伝えした「花の運河」が完成しました。2001年からスタートした「花の運河」も5回目(2001年、2002年、2003年、2006年、2008年)を迎え、今年は、可憐な少女の姿を描いた作品をモチーフとしました。

 

大胆なタッチと豊かな色彩が特徴のピサロ、印象派の中で数少ない女性画家モリゾ、柔らかく独特の表現が特徴のルノワール。これら19世紀の印象派の絵を再現するにあたって1番気を使ったことが、“当時の色”の再現。
絵の具を混ぜ合わせて作り上げる場合、なかなかその色を再現するのは難しいもの。今回「花の運河」を担当したスタッフが

 

『混ぜ合わせて作る色よりも、草花の自然本来の色が再現しやすいのかもしれません』

 

と話してくれました。そして、その当時の色を表現するために使われた草花は約12000株!
マリーゴールドやペチュニア、サルビア、テランセラ、トレニア、タマゴボールなどなど。それを1株ずつ手作業で植え込み、2週間をかけて完成しました。

朝早くから始まる一つ一つの植え込み作業。日が高くなるに連れて水まきを行ない、そしてまた植え込み。上の方から状態を確認してはまた作業の繰り返し。
始めはただ花が並んでいるだけで全景は全く分かりませんでしたが、数日後には「ここが帽子かな?」と部分的に分かるようになり、今日の完成を迎えました。仕上がり具合を早く皆さんにも見ていただきたいほど。

 

 

絵画の公開は13日(土)から11月3日(祝)まで。
近くに2つの高台が設けられていますので、ここから眺めて、ヨーロッパの街並みを背景にした記念撮影もおすすめ。撮影の後は、運河沿いに降りてたくさんの花々を鑑賞するのも良いかもしれません♪

 

 

余談
撮影の間、水まきが行なわれていました。本物の絵は水を掛けるなんていう行為は絶対にありえませんが、この絵画は水が一番必要。当たり前ですよね、草花を使っているのですから。でも、その当たり前の行為で「小さなたくさんの花々で、こんな大きな素晴らしいアートが作られているんだ」ということを実感し、改めて感動してしまいました。

 

(文/水上 由美)