海を渡って愛された伊万里の磁器
その東西交流の足跡と美しい品々を展示
17世紀中期ごろ、伊万里の磁器が海を渡り、遠くヨーロッパで愛されていたという事実をご存知でしたか?
オランダ連合東インド会社によって輸出された東洋の磁器は、約100万個と言われていますが、中でも日本のものは深く愛され、調度品として重宝されていたのです。また赤や金で絵付けしたものが、ヨーロッパでさらに金属で加飾され、室内装飾品としても不可欠なものとなりました。18世紀に入ると各国の窯が伊万里の模倣を行うようになり、その影響は現代まで続いているということです。
第1室では、中国、有田焼、ヨーロッパの陶磁器を並べ、東西交流の流れをご紹介しています。つづく第2室では、室内装飾品として最盛期を迎えた古伊万里や柿右衛門を、当時のヨーロッパでの装飾を再現する形で展示しました。第3室は、技術革新や原材料の改良により大型で鮮やかになった、19世紀後半のものを中心に陳列しています。
中でもいちばんの見所は、第1室と2室の間にある「磁器の間」といえるでしょう。ドイツ・ベルリンにあるシャルロッテンブルグ宮殿の磁器の部屋「ポルセレイン・キャビネット」を再現したものです。
当時、高価だった磁器を約3,000点も飾りつけた富と権力の象徴ともいえる空間。西洋美術と東洋趣味が融合した姿、ぜひ目に焼き付けていただくべき芸術であると断言できます。